証拠金維持率は、強制ロスカットやレバレッジに深く関係する値です。
ロスカットのお話の前に、まずは証拠金維持率の計算方法を正しく理解して安全にトレードに臨みましょう。
証拠金・必要証拠金・証拠金維持率とは?
XMTrading(XM)について調べると「証拠金」や「証拠金維持率」がよく出てくるけど、これって一体何のこと?
「証拠金」や「証拠金維持率」は、FX取引する際知っておかなければならないことです。
証拠金とは
証拠金とは、FX会社に担保として預ける資金のことで、預かり証拠金や保証金とも呼ばれます。
FX取引を始めるには担保として「証拠金」が必要となりますが、取引量に応じて証拠金の額が変動するのが大きな特徴です。
預けた証拠金は口座残高に反映され、取引プラットホームであるMT4とMT5の残高に表示されます。
XMではこの証拠金を元に、最大1000倍のレバレッジで取引することが可能です。
必要証拠金とは
必要証拠金とは、ポジションを保有するのに必要な資金のことをいいます。
取引する際は、必要証拠金に対して十分な証拠金があるかを確認することが大切です。
以下の計算式で売買したい通貨ペアの必要証拠金がいくらか計算すると、適切な取引量が分かります。
証拠金維持率とは
証拠金維持率とは、必要証拠金に対する有効証拠金(残高+含み損益)の割合のことです。
後ほど説明するロスカットには、この証拠金維持率が関係してきます。
実際のXMのトレード画面を参考に、証拠金維持率について見ていきましょう。
残高(証拠金)
「残高」とは取引口座に入金している金額のことで、最初に説明した証拠金にあたります。
有効額(有効証拠金)
「有効額」は有効証拠金のことで、残高にクレジット(ボーナス)と未決済損益を加えたものになります。
証拠金(必要証拠金)
「証拠金」とは、ポジションの保有に必要な金額で、先ほどの説明した必要証拠金にあたります。
可能額(余剰証拠金)
「可能額」は、新規取引に使用できる保証金の余裕金額(有効額-証拠金)を指し、余剰証拠金と呼ばれています。
証拠金率(証拠金維持率)
「証拠金率」とは、為替証拠金取引をする際、実際の約定金額に対して必要となる証拠金の割合のことです。
これは、先ほど説明した証拠金維持率と同じです。
例えば、1ドル=100円の時、1万ドル買った場合、実際の約定に必要な円価は100万円となりますが、5万円でこの取引が行えるとすると、この場合証拠金率は5%(必要証拠金÷実際約定金額×100)となります。
証拠金率(証拠金維持率) = 有効額÷証拠金×100=113,826÷12,268×100=927.83
証拠金維持率が表示されない?
上記で説明した項目は、MT4/MT5画面の下に表示されます。
必要証拠金と証拠金維持率は、保有しているポジションに対して計算されるものなので、ポジション保有時のみ表示されます。
また、XMには同じロット数での両建ての場合、証拠金が0になるというルールがあります。
その場合も必要証拠金や証拠金維持率は表示されません。
※同一口座内での両建てのみ可能。他口座間や他業者間の両建ては契約違反にあたります。
証拠金維持率が150%を下回ると出金できない
XMでは、ポジションを保有した状態での出金が可能です。
ただし、条件として出金申請時の証拠金維持率が150%以上である必要があります。
残高10万円、必要証拠金1万円、含み損2000円の場合
10,000円(必要証拠金)×150%(証拠金維持率)+2000円(含み損)=17,000円(出金できない金額)
100,000円(残高)-17,000円=83,000円(出金可能金額)
この場合、17,000円を口座内に残しておく必要がある、つまり83,000円以上の出金ができないのです。
証拠金維持率20%がロスカットの水準
ここまで、証拠金維持率のお話をしてきましたが、今度はロスカットとゼロカットシステムについてお話ししていきます。
XMのロスカットラインは、証拠金維持率の20%と定められています。
ロスカットとは
ロスカットとは損失がある一定水準に達したとき、更なる損失を防ぐために保有しているポジションが強制的に決済される制度のことです。
そしてこのロスカットは、ある一定の証拠金維持率を下回ることで発動します。
XMでは証拠金維持率が20%を下回るとロスカットが起こるように設定されているので覚えておきましょう。
このロスカットが起こる水準を「ロスカットライン」といいます。
CFD商品などは銘柄によってコントラクトサイズが異なります。
そのため、証拠金維持率も各銘柄によって変わってくるので注意しましょう。
コントラクトサイズ(契約サイズ)とは、1ロットあたりの通貨量、取引単位を指します。
各銘柄のコントラクトサイズはXM公式サイトのCFD銘柄一覧から確認できます。
ロスカット執行=損失確定
XMでは決済をしない限りポジションを持ち続けられますが、レートは常に変動しています。
相場の値が回復する前に強制ロスカットに遭ってしまうと、その時点で取引の負け、損失が確定します。
ロスカットについては以下の記事でさらに詳しく解説をしているので、こちらも併せてご覧ください。
XM(XMtrading)には「ロスカット」という自動損切りシステムがあります。 このロスカットが発動する目安を、XMでは証拠金維持率の20%に設定しています。 今回の記事ではロスカットの発動条件や、証拠金維持率の計算方 …
ゼロカットの証拠金維持率は?
XMのゼロカットシステムについて見ていきましょう。
ゼロカットシステムとは
国内FXを利用している人は、ロスカットとセットのように「追証」が思い浮かぶ人が多いでしょう。
追証とは、証拠金以上の含み損が発生した際に取引口座への追加入金が求められることです。
この追証はいわば借金なので、必ず支払わなければなりません。
しかしXMはこの追証が発生しない「ゼロカットシステム」を採用しており、借金の心配がありません。
ゼロカットシステムとは簡単に言うと、急な相場変動でロスカットが間に合わずに損失が出た際、FX業者がその損失分を補填して口座残高をゼロにしてくれるシステムです。
XMなら借金を負う心配がないので安心してトレードができますね。
ゼロカットの証拠金維持率は0%
取引で損失が発生して残高がマイナスになり、証拠金維持率が0%以下になると、ゼロカットシステムが発動します。
証拠金維持率50%でマージンコール発動、20%でロスカット発動、0%でゼロカット発動、ということになります。
ゼロカットが執行されない?
XMが採用するゼロカットシステムですが、そのゼロカットが執行されない場合があります。
その原因は、ゼロカット執行までの流れを見てみるとわかりやすいです。
②クレジットから損失分が補填される
③未決済ポジションの含みの利益から損失分が補填される
④それでも尚マイナスが残る場合、ゼロカットが執行される
つまり、口座内で保有しているクレジットと未決済ポジションの利益が損失分を補える場合、ゼロカットは執行されないと言うことです。
ゼロカットが執行されないときは、有効証拠金がプラスになっている可能性が考えられます。
また、XMのゼロカットシステムは、残高がゼロにリセットされるまでに時間がかかることがあります。
リセットが反映されるタイミングは不定期で、早くて数分、長いときには数日かかることもあります。
そこで、口座のマイナス残高をすぐにリセットさせる方法をご紹介します。
①口座へ入金する
口座に入金をした時点で、マイナスの残高がゼロにリセットされます。
②他の口座からマイナス口座へ資金を振替する
振替が完了した時点で、マイナス残高がリセットされます。
③XMPをクレジットへ交換(1XMPからOK)
クレジットへ交換した時点で、マイナス残高がリセットされます。
口座への追加入金分がマイナス分に充てられることはありません。
XMの証拠金計算機を使って証拠金を計算する方法
XMの公式サイトには「証拠金計算機」という機能があり、自動で必要証拠金を算出してくれるので便利です。
取引を行うときは、必要証拠金に対して十分な資金を用意しておく必要があります。
この証拠金計算ツールを使って算出した必要証拠金を元に、取引資金を用意しておくようにしましょう。
XMの証拠金計算機へは以下のボタンからアクセスできます。
↓
XM証拠金計算機の使い方
ここからはXMの証拠金計算機の使い方を簡単にご紹介します。
・口座の基本通貨
・ロット数量
・通貨ペア
・レバレッジ
・口座タイプ
上記5つの入力項目を入力し、「計算する」を選択すると、必要証拠金が表示されます。
計算結果には以下の3つの項目があります。
・現在の変換価格:現在の通貨レート
・必要証拠金(口座の基本通貨):自分の口座の基本通貨で換算した必要証拠金
・必要証拠金(変換された通貨):通貨ペア右側の通貨で換算した必要証拠金 例:USDJPYなら日本円
必要な証拠金が多すぎる場合は、取引するロット数で調節しましょう。
証拠金維持率とレバレッジの関係
ここからは、レバレッジと証拠金維持率の関係について見ていきましょう。
下の図のようなイメージで、レバレッジが高いと必要証拠金を少額に抑えることができます。
▼イメージ図:レバレッジと必要証拠金の関係
レバレッジの効果を、仮に100万円の取引をした場合でみてみましょう。
▼レバレッジの効果(1ドル100円、10万通貨)
一般的な国内FX業者の最高レバレッジ25倍だと必要証拠金は40万円になりますが、XMの最高レバレッジ1000倍だと必要証拠金10,000円となり、レバレッジの効果がでて必要証拠金にかなり違いがでます。
必要証拠金を少額に抑えることができると、許容できる含み損の範囲が増えます。
つまり、証拠金維持率の水準(XMは20%)を下回りにくくなります。
例を見てみましょう。
同じ条件でそれぞれの口座に違うレバレッジをかけた場合、証拠金維持率はどうなるのでしょうか。
<条件>
ロスカット水準:20%、口座残高:50万円、ドル円レート:1ドル=100円、取引数量:10万通貨の場合
まず、1000倍のレバレッジをかけた場合です。
▼1000倍のレバレッジ
上の図のように、レバレッジが高いと必要証拠金を低くできるので、レートが1ドル95.5円に下がっても許容できる含み損の範囲に余裕があります。
証拠金維持率は523.5%となり、ロスカット率の20%を下回りません。
では次に、25倍のレバレッジの場合はどうでしょうか。
▼25倍のレバレッジ
レバレッジが低く必要証拠金が高いので、許容可能な含み損の範囲が狭く、ロスカットラインまでの余裕がありません。
レートが1ドル95.5円に下がった場合、証拠金維持率は13%となり、ロスカット率20%を下回ってしまいます。
このように、レバレッジが高いほど必要証拠金を少なくすることができ、証拠金維持率を下回ることが少なくなります。
含み損の許容範囲が増え、ロスカットされにくくなるのです。
最大レバレッジで1lotの取引ならば、どれくらいの証拠金が必要なの?
レバレッジ1000倍で1ロットを取引するのに必要な証拠金を見ていきましょう。
1lot=1,000通貨、1ドル=110円、最大レバレッジの1000倍で1ロットを取引する場合:
必要証拠金=110円×1,000通貨×1ロット÷1000倍≒110円
マイクロ口座なら最低110円で1ロットの取引ができますね。
1lot=100,000通貨、1ドル=110円、最大レバレッジの1000倍で1ロットを取引する場合:
必要証拠金=110円×100,000通貨×1ロット÷1000倍≒11,000円
スタンダード口座やKIWAMI極口座はマイクロ口座よりも1ロット分の取引通貨量が多いため、必要な証拠金も大きいです。
1lot=100,000通貨、1ドル=110円、最大レバレッジの500倍で1ロットを取引する場合:
必要証拠金=110円×100,000通貨×1ロット÷500倍=22,000円
ゼロ口座は最大レバレッジが500倍に制限されているので、必要証拠金が3つの口座の中で一番大きいです。
XMの維持率20%でロスカットは低い?高い?
国内FX業者に比べると、XMのロストカットライン「証拠金維持率20%」は低めの設定といえます。
海外FX業者のロスカットラインも大半は20%に設定されています。
一方で国内FX業者の多くは、ロスカットラインを50%~100%に設定しています。
ですので、海外のFX業者は国内FX業者に比べ、ロスカットが起きにくいです。
また、XMでは証拠金維持率が50%を下回った際に「マージンコール」が発動します。
マージンコールとは、証拠金の追加入金を依頼する通知です。
このマージンコールが発生すると、新規注文ができなくなります。
XMの最大レバレッジは1000倍で、最大レバレッジが25倍の国内FXよりも高く設定されています。
XMはロスカット時の証拠金維持率とレバレッジ、どちらにおいても国内FXより優位にあるといえるでしょう。
▼XMと国内FX業者の比較
XM | 国内FX業者 | |
ロスカットライン | 証拠金維持率20% | 証拠金維持率50~100% |
追証 | なし | あり |
最大レバレッジ | 1000倍 | 25倍 |
▼国内FX最大レバレッジ・ロスカット水準比較表
FX業者名 | 最大レバレッジ | ロスカットライン |
外為オンライン(L25コース) | 25倍 | 20% |
DMM FX | 25倍 | 50% |
GMOクリック証券 | 25倍 | 50% |
SBI FXトレード | 25倍 | 50% |
YJFX | 25倍 | 50% |
FXプライムbyGMO | 25倍 | 80% |
ひまわり証券(ひまわりFX) | 25倍 | 100% |
みんなのFX(トレイダーズ証券) | 25倍 | 100% |
外為どっとコム | 25倍 | 100% |
JFX | 25倍 | 100% |
▼海外FX最大レバレッジ・ロスカット水準比較表
FX業者名 | 最大レバレッジ | ロスカットライン |
AXIORY | 400倍 | 20% |
Tradeview | 500倍 | 100% |
TitanFX | 1000倍 | 20% |
FxPro | 1000倍 | 20% |
XM | 1000倍 | 20% |
Traders Trust | 3000倍 | 20% |
Exness | 無制限 | 0% |
最後に、XMとAXIORY、国内FX業者の最大レバレッジを比較して、それぞれの必要証拠金の違いをみてみましょう。
▼レバレッジの違いによる必要証拠金の違い
XMの最大レバレッジ1000倍と国内FX業者の最大レバレッジ25倍では必要証拠金に40倍の差があり、レバレッジが違えば必要証拠金もかなり違ってきます。
ロスカット率20%のメリットとデメリット
XMのロスカット水準「証拠金維持率20%」のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
XMのロスカット基準「証拠金維持率20%」は国内FXよりも低く、ロスカットされにくいことがメリット。
国内FXだとロスカットされてしまうタイミングでも、XMでならポジションを保有し続けられます。
ロスカット水準が低いと、ある程度の相場の値の急落にも耐えられ、値が回復する機会を待つことができます。
つまり、ロスカットされにくいと「負けにくい」ということなのです。
デメリット
XMのロスカット基準「証拠金維持率20%」には、デメリットもあります。
「証拠金維持率20%」のデメリットは、ロスカットされたときのダメージが大きいことです。
証拠金1万円を保有している場合:
ロスカット水準「証拠金維持率50%」の国内FX→証拠金維持率50%でロスカット、5,000円の損失。
ロスカット水準「証拠金維持率20%」のXM→証拠金維持率20%でロスカット、8,000円の損失。
このように、ロスカットされるまでの時間が長い分、ロスカットされた時点での損失が大きくなります。
損失が拡大する前に「損切り※」ができれば良いですが、相場の値が回復することもあるので判断が難しいです。
※損切り:含み損が生じているポジションを、ロスカットが起こる前に自ら決済すること。
ロスカットを回避するには?
ロスカットは損切りを行う以外に、証拠金維持率を高めに保っておくことでも回避することができます。
証拠金維持率を上げる方法に、以下の3つがあります。
・保有ポジションの一部を決済する
・XMPを活用する
詳しい方法は以下の記事で解説しています。
XM(XMtrading)には「ロスカット」という自動損切りシステムがあります。 このロスカットが発動する目安を、XMでは証拠金維持率の20%に設定しています。 今回の記事ではロスカットの発動条件や、証拠金維持率の計算方 …
XMPを活用し、証拠金維持率を上げる
XMには、取引の度にポイントが貯まる「ロイヤルティプログラム」という制度があります。
そのポイントは「XMP(エックスエムポイント)」と呼ばれ、ボーナスや現金に交換することが可能です。
また、ボーナスへの交換は反映までに1分程度しかかからないので、強制ロスカットされそうなギリギリのタイミングでも素早く交換、証拠金維持率を上げて強制ロスカットを回避できます。
ゼロ口座はロイヤルティプログラム対象外ですので注意が必要です。
XMPを効率よく貯める方法に興味がある方は下記記事を参考にしてください。
XM(XMTrading)のロイヤルティプログラムは、取引するだけでポイントが貯まるお得なサービスです。 貯まったXMPは、出金またはボーナクレジットに交換して、取引に運用することができます。 今回は、このXMPを効率よ …
証拠金維持率の目安は?
一般的に証拠金維持率は、短期が300%、長期なら1000%を目安に調整して取引するといいと言われています。
スキャルピングトレードのような短期売買の場合、急な相場変動があってもすぐに損切決済できるため、証拠金維持率を低くしても、リスクはそれほどありません。
ただし、重要な指標発表時やハイレバレッジのポジションを保有しているときは、証拠金維持率を高めに調整しておくと安心です。
スイングトレードのような長期の売買も、急な相場変動にも対応できるよう証拠金維持率を高く保っておく必要があります。
まとめ
今回は、XMの証拠金・証拠金維持率について解説しました。
XMでは、証拠金維持率が20%になった時にロスカットが発生します。
このロスカット水準は国内FXに比べて低く、トレーダーが強制ロスカットされる確率を下げています。
ロスカットを回避するには、資金管理と損切りを徹底することが重要なポイントになってきます。
ロスカットをうまく回避し、資金を失ってしまうことを未然に防ぎましょう。
筆者:海外FXラボ編集部
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