「ビットコインってよく聞くけど、そもそも仮想通貨とはどういうものなの?」
「仮想通貨はビットコイン以外にどんな種類があるの?」
「初心者にもわかりやすいように仕組みを教えてほしい。」
ビットコインの誕生から十数年、仮想通貨の存在は身近になりつつあると言えます。
しかし、いざ仮想通貨取引をしようと思っても、仮想通貨というテクノロジーの全容を理解していなければ、取引に対する恐怖心はなかなか拭えないのではないでしょうか。
そこで今回は、入門編として仮想通貨の種類や特徴、仕組みについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
仮想通貨に関する基礎知識を網羅できる内容になっているので、ぜひ参考にしてくださいね。
仮想通貨とは?
仮想通貨の取引を行う前に、まずは仮想通貨そのものについてしっかり理解しておく必要があります。
初めに、仮想通貨の成り立ちから解説していきます。
仮想通貨の成り立ち
仮想通貨は電子データのみでやりとりされる通貨で、法定通貨のように実物は存在しません。
この仮想通貨という新時代のテクノロジーの歴史は、2008年10月に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がビットコインに関する論文をインターネット上で公開したことからはじまります。
サトシ・ナカモトが発表した論文には、今の仮想通貨テクノロジーのもととなった情報が記載されており、数多くの研究者や開発者に鮮烈なインスピレーションを与えました。
その論文が公開されてから約3ヶ月後の2009年1月には、最初の仮想通貨であるビットコインが誕生しています。
2010年2月にはビットコインを両替できる取引所が設立され、実際にビットコインを購入することができるようになりました。
仮想通貨の特徴
ここからは、仮想通貨の具体的な特徴について見ていきましょう。
仮想通貨の特徴としては主に以下の2つがあげられます。
- 中央管理者がいない
- 発行上限が決まっている
中央管理者がいない
仮想通貨は先ほど説明したブロックチェーンテクノロジーによって参加者全員で監視する仕組みとなっているため中央管理者を必要としません。
国や中央銀行などの信頼によって価値を担保してきた今までの通貨とは違った形で、仮想通貨は価値を担保しているのです。
これは、財政破綻や情勢不安など、中央管理者が持つリスクに左右されないと言い換えることができます。
発行上限が決まっている
法定通貨は理論上、中央銀行が無限に発行することができます。
実際には無限に発行するということはありえないのですが、コロナ禍など経済危機が起こった際には金融政策として、通貨の増刷が行われてきました。
しかし、仮想通貨は中央管理者がいないため、経済状況に応じて供給量を調整する機能が存在しません。
そのため、法定通貨と同じような価値の担保の仕方は不可能となっています。
仮想通貨の価値を担保するために、発行上限を決めるという方法をとっているのですね。
仮想通貨と法定通貨、電子マネーとの違い
法定通貨以外にも仮想通貨とよく混同して考えられがちなのが、電子マネーです。
一見似たように思える仮想通貨と電子マネーですが、明確な違いが存在します。
以下の表は仮想通貨と法定通貨、電子マネーの特徴をまとめたものになります。
仮想通貨(暗号資産) | 法定通貨 | 電子マネー | |
---|---|---|---|
発行元 | 発行元なし (マイニングによって価値が生み出される) | 日本銀行など中央銀行が発行 | 企業や交通機関が発行 |
システム | 非中央集権型 | 中央集権型 (日本銀行など中央銀行が管理者) | 中央集権型 (日本銀行など中央銀行が管理者) |
決済で利用できる場所 | 利用できる場所は少ない | どこでも利用可能 | 加盟店舗のみで利用可能 |
価格の変動率 | 大きく変動するものが多い | 経済的に安定している国の通貨であれば変動率は小さい | 一定 |
個人間送金の可否 | 可能 | 可能 | 可能なものもある |
ポイントが貯まるか | ポイントは貯まらない | ポイントは貯まらない | ポイントが貯まるものが多い |
具体例 | ビットコイン、イーサリアム等 | 円、米ドル、ユーロ、豪ドル、ポンド等 | 交通系電子マネー (Suica、PASMO等) 小売系電子マネー (nanaco、WAON等) |
仮想通貨と法定通貨、電子マネーの大きな違いは、中央集権型かそうでないかです。
仮想通貨は非中央集権型をとっており、法定通貨と電子マネーは日本銀行など中央銀行が管理者の中央集権型となっています。
また、仮想通貨は価格変動率が大きくなっていることもあり、投資対象としてリスクが大きいですが、その分大きな見返りが期待できます。
仮想通貨の種類
仮想通貨には、実はたくさんの種類が存在しています。
一番代表的なのはやはりビットコインですが、その他にどのような仮想通貨が存在するのかを確認していきましょう。
ビットコインとアルトコイン
みなさんは、「ビットコイン」の他に「アルトコイン」という言葉を耳にしたことがありますか?
簡単に説明すると、アルトコインとはビットコイン以外の仮想通貨全てのことを指します。
ビットコインとアルトコインは機能面でも大きな違いを持ちます。
ビットコインは決済機能など限定された機能しか持ち合わせていません。
逆にアルトコインは、開発や使用の目的がコインごとに明確に定められています。
信頼性の高い仮想通貨
ビットコインがこの世に誕生してから現在までさまざまな仮想通貨が開発され、その数は3,000種類以上あると言われています。
中には価格が低いものや、1年で何百倍にも価値が高騰するものもあれば、逆に価値がなくなってしまうものもあります。
本当に信頼できる仮想通貨を見分けるにはホワイトリストを参照するとよいでしょう。
現在、ホワイトリストに入っている仮想通貨は以下の87種類となっています。
どの仮想通貨を取引するか迷っている方は、まずは上記39種類から選んでみるのがいいでしょう。
仮想通貨を安全に管理するためのテクノロジー
仮想通貨は電子データのみでやりとりしているけど、セキュリティ面は大丈夫?
このような心配を抱えている方も多いことでしょう。
仮想通貨は以下の3つのテクノロジーによって安全性が守られています。
- 公開鍵暗号方式
- ブロックチェーン
- マイニング
それぞれどのような役割をもったテクノロジーなのか、順番に詳しく見ていきましょう。
公開鍵暗号方式
公開鍵暗号方式は、電子データを守るためのテクノロジーとしてIT業界で仮想通貨以外の分野でも広く取り入れられている方法です。
公開鍵暗号方式では、「公開鍵」と「秘密鍵」と呼ばれる2つの鍵によってデータのやりとりを行います。
公開鍵:誰でも入手できる鍵で、通信を暗号化する時に使う
秘密鍵:ひとつしかない鍵。公開鍵で暗号化された通信を復号化する(読める状態に戻す)ことができる
ビットコインの取引をする場合、まずは秘密鍵を所有しているコインの送信者が秘密鍵を用いて「署名」を行います。
受信者はその署名と公開鍵によって署名がなされたことや、改ざん行為がないのかを確認することができるのです。
このようにして取引を監視することで、第三者によるなりすましなどの不正行為を防止しています。
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは「分散型台帳技術」とも呼ばれ、1箇所に記録するのではなく、分散型のコンピューターネットワークにデータを分散保持する仕組みです。
金融機関などの中央集権型のシステムでは、電子データなどが1箇所に保存されているため、セキュリティ面においてリスクが高いという弱点がありました。
しかし、ブロックチェーンでは取引の最初から最後までのすべての順序を分散型のコンピューターネットワークに記録することで、その弱点を克服したのです。
ブロックチェーンの仕組みは以下のようなものになっています。
ブロックチェーンの仕組み
①取引処理が実行されるとその記録(トランザクション)が残る
②複数のトランザクションは一定の大きさである1つのブロック単位にまとめられる
③その時点で存在する最後のブロックの後につなげて保存される
これを繰り返すことで、トランザクションの集合であるブロックが前後につながり、チェーン(鎖)のように時系列でまとまる
このように、トランザクションがまとまったブロックチェーンのデータが、複数の分散型コンピュータネットワークすべてに保存されていくというのがブロックチェーンの仕組みというわけです。
そのためデータを改ざんしようにも、ブロックチェーンの他のデータ情報と異なればすぐに分かり、全てのデータを改ざんすることは非常に難しくなっています。
マイニング
仮想通貨の最も大きな特徴は、上述した「中央集権型」からの脱却にあります。
中央集権型からの脱却にはさまざまなメリットがあると同時に、管理者がいないと取引の承認や確認作業をする役割を誰が担うのかという問題に直面します。
管理者がいないことで起きるこの問題を解決するのが「マイニング」というテクノロジーです。
マイニングとは簡単に説明すると、第三者による取引の承認および確認作業のことです。
ブロックチェーンに取引記録を残すための膨大な計算を第三者が行うことで、仮想通貨のシステムは管理者なしで成り立っているというわけです。
マイニングを行なった人は、その膨大な計算の報酬として新規発行の仮想通貨を受け取ることができます。
仮想通貨でできること
それでは、仮想通貨で具体的にできることについて見ていきましょう。
仮想通貨でできることは主に以下の4つとなっています。
- 決済手段として利用可能
- 個人間送金
- 口座開設が簡単
- 投資対象にする
決済手段として利用可能
仮想通貨は決済手段として利用することができ、対応店舗も徐々に増えつつあります。
また、プリペイドカード経由で仮想通貨を利用する方法もあります。
例えば、ビットコインは、バンドルカードというスマホ版VISAプリペイドカードに直接チャージできます。
バンドルカードは、VISAに対応している全ての店舗で利用できるので、うまく利用できれば、仮想通貨の利用の幅もかなり広がるでしょう。
個人間送金
日本円や外貨などの法定通貨を送金する場合は、金融機関や海外送金サービスを利用しなくてはなりません。
しかし仮想通貨の場合は、先述したようにブロックチェーンテクノロジーにより、金融機関などの仲介がなくても個人間で送金することができます。
それにより、いままで取引のたびにかかっていた仲介者への手数料が、仮想通貨では削減されるというわけです。
手数料が抑えられる
仮想通貨は管理者をなくすことで、あらゆる取引に介入する仲介者の数を減らすことができています。
例えば、電子マネー決済では3%ほど、クレジットカード決済では5%ほどの手数料を取られていましたが、仮想通貨はこれらのコストが安く抑えられます。
ビットコイン決済ならそれ自体にかかる手数料も1%以下となり、かなりお得に取引が可能です。
仮想通貨決済を導入する事業者側にとっても、利用者側にとっても手数料が安くなるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
口座開設が簡単
仮想通貨口座の開設は、銀行口座の開設に比べとても簡単です。
銀行口座を作るとなると、わざわざ窓口に行って手続きをする必要があります。
しかし、仮想通貨ではスマホとネット環境さえあれば数分で口座を作成することができ、本人確認や書類の提出、印鑑の準備も必要ありません。
時間と労力をかけずに口座を開設できるのも、仮想通貨の魅力のひとつと言えるでしょう。
投資対象にする
仮想通貨は電子マネーと違い、法定通貨に換金することができます。
価格成長率もかなり大きいということもあり、有望な投資対象としてみられています。
もちろん価格が急降下するリスクもありますが、そういったリスクも含め非常に魅力的な投資対象といえるでしょう。
仮想通貨の入手方法
それでは仮想通貨の入手方法について見ていきましょう。
仮想通貨を入手するには以下の4つのSTEPを踏む必要があります。
- 仮想通貨取引所の口座を開設する
- 指定された銀行口座に日本円を入金する
- 購入する仮想通貨を選択する
- 実際に取引画面で購入する
仮想通貨取引所の代表的なところとしては、「Coincheck」「bitbank」「bitFlyer」などがあります。
仮想通貨取引所によって手続きは少し違いますが、概ね入手手順は上記の通りです。
それほど難しくないので、実際に自分の手で仮想通貨を購入してみてくださいね。
仮想通貨を保有・取引する時の注意点
いくら仮想通貨というものが素晴らしいものだとは言えども、リスクがないとは限りません。
つぎに、仮想通貨を保有・取引する時の注意点について見ていきましょう。
仮想通貨を保有・取引する時の注意点は以下の4つです。
- まずは余剰資金で始める
- 最低限の知識をつけてから始める
- 大きなレバレッジをかけすぎない
- 仮想通貨の税金区分は国内FXと異なる
まずは余剰資金で始める
「仮想通貨で1年で数百万円もうけた」といった噂にながされ、生活費を削ってまで仮想通貨取引を始めようとする人がいます。
確かに仮想通貨取引で短期間のうちに大きく稼ぐことは可能ですが、大きな利益を狙うということはそれだけリスクが高くなるということになります。
まずは、余剰資金を使ったリスクの少ない方法で仮想通貨取引に慣れるところから始めましょう。
最低限の知識をつけてから始める
仮想通貨は専門用語も多く、株やFXなどの投資を今までしてきた方でも知らないことが多い分野になります。
まずは仮想通貨についての最低限の知識をつけてから仮想通貨取引を始めるようにしましょう。
また、アルトコインはコインの種類ごとに開発目的や利用目的がかなり違います。
どのような用途で使われるのか、将来性はあるのかなど、自分が取引しようと思っている仮想通貨に関する情報はできる限りたくさん集めてから取引を始めるようにしましょう。
大きなレバレッジをかけすぎない
レバレッジは仮想通貨取引でも利用できるのですが、最初は大きなレバレッジをかけて取引するのはおすすめできません。
というのも、仮想通貨取引初心者の方はまだリスクコントロールができない状態なので、自己資金を簡単に溶かしてしまう可能性があるからです。
特に仮想通貨というものはリスクが高いものなので、そのリスクがレバレッジにより何十倍にもなってしまうとかなり危険です。
短期間で大きく稼げるハイレバレッジ取引に魅力を感じる気持ちはわかりますが、まずはレバレッジをあまりかけずに取引しましょう。
仮想通貨の税金区分は国内FXと異なる
確定申告の際に、国内FXの利益には「申告分離課税」が適用されるのに対し、仮想通貨の利益は「総合課税」が適用されます。
税の区分が異なると、以下の点において相違があるので注意が必要です。
仮想通貨 | 国内FX | |
---|---|---|
課税方式 | 総合課税方式 | 申告分離課税方式 |
税率 | 所得に応じて変動 15~55% | 一律20.315% |
損失の繰越 | 不可 | 3年まで可能 |
仮想通貨と同じ税区分になる海外FXの確定申告については、こちらの記事で詳しく解説しています。
海外FX業者「XMTrading(XM)」を利用する最大のメリットはハイレバレッジと豊富なボーナスを利用して効率よく利益を出せることです。 ただしXMで獲得した利益には税金がかかるので、確定申告をする必要があります。 海 …
仮想通貨の基礎用語
仮想通貨は最近できた新しいテクノロジーということもあり、今まで聞いたことのない専門用語もたくさん登場します。
中でも以下の3つは、仮想通貨取引を行う上で最もよく使われる用語です。
- アービトラージ(裁定取引)
- ステーキング
- レンディング
アービトラージ(裁定取引)
アービトラージとは「裁定取引」とも言われる取引方法で、 異なる仮想通貨取引所との価格差額を利用し売買を行うことです。
イメージとしては通貨の転売のようなものです。
アービトラージに関してはかなりシビアな取引で、禁止行為としている取引所も多いです。
また、日頃から市場価格や交換業者の状況を把握したり、万が一の取引制限などが起こった時に適切な対処ができるよう準備しておくことが必要です。
かなり難易度の高い取引方法なので、アービトラージはあまり初心者向きの取引とは言えないでしょう。
ステーキング
ステーキングはある特定の仮想通貨を保持する見返りとして、新たな仮想通貨を得ることができるという仕組みです。
仮想通貨を保持するということは、あるブロックチェーンに参加するということになりその報酬として仮想通貨が配られるというわけです。
保有している仮想通貨の量が多ければ多いほど、アルゴリズム内での信用が大きくなるので、その分報酬としてもらえる仮想通貨の量も増えていきます。
ステーキングは、保有しているだけで報酬が得られるというメリットの他にも、一般的な銀行の金利より遥かに高かったり、自由に仮想通貨を売却したり送金することができたりといったメリットがあります。
ブロックチェーンネットワークのセキュリティ・効率の向上に貢献できるというのもステーキングの魅力です。
レンディング
レンディングとは、取引所に一定期間仮想通貨を貸しだすことで、その分の利息を受け取る仕組みのことをいいます。
レンディングは別名「貸暗号資産」とも呼ばれています。
例えば、Aさんがレンディングを行ったとします。
レンディングにより預けられた仮想通貨が、取引所経由でBさんに融資されたとき、Aさんは間接的にBさんに仮想通貨を貸したことになります。
レンディングはこのように、取引所を経由して貸した分の利息を受け取れる仕組みのことです。
「トレードはチャートを定期的にチェックしたりしないとダメだから自分には向いていない」という方でもレンディングなら年率は1〜5%程度を目安として利益を積み上げていくことが可能です。
まとめ
今回は、仮想通貨入門として、仮想通貨の基礎知識を中心に徹底解説していきました。
一昔前までは「なんだかよくわからないが怪しいもの」「投資対象としてリスクの大きすぎるもの」というレッテルを貼られていましたが、今ではかなり多くの人が仮想通貨を保有したり、取引したりしています。
今後更なるテクノロジーの進歩によって生活の一部となり、仮想通貨は欠かせないものとなるでしょう。
この機会にぜひ、仮想通貨を取引してみてくださいね。
筆者:海外FXラボ編集部
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