FXの利確・損切のやり方は?具体的なルールやタイミングを徹底解説

「FXを始めてはみたけど、どうやって損切りの目安をつけたらいいの?」

 

「利確のタイミングが分からず、利益を上手く伸ばせない・・・」

「FXでの具体的な利確と損切り方法やルールの決め方が知りたい」

 

FXで取引をする際に、大きな落とし穴となるのが「損切り」と「利益確定(利食い)」の出口戦略です。

損切りが上手くできないと、損失が増大してしまい、大敗の原因にもなりかねません。

また利益を上手く伸ばせないとプラス収支になりにくく、FXを続けるモチベーションも上がらないのではないでしょうか?

そこで今回は、FXでの利確と損切りについて、ルール設定のコツや具体的な例、注意点などを詳しく解説していきます。

 

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FX初心者の方やFXで上手く利益を伸ばせない方は、ぜひ最後までご覧ください。

FXで勝てない原因

FXのトレード技術を磨くためには、勝てないそもそもの原因を探らなければなりません。

勝てない原因は大まかに分けて2種類あります。

 

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勝てない原因は、利益を伸ばせないことと、損切り貧乏になることです。

実際に自分の想定した方向へ価格が動いても、利益を伸ばせなければ、少額の利益しか得ることができません。

また損切りが多ければ利益は減り、損切りができなければ、強制的にロスカットとなり一気に大損する可能性も考えられます。

ロスカットとは

口座内の資金が一定水準を下回ると、強制的にポジションが決済される仕組み
水準は証拠金維持率とも呼ばれ、取引所ごとに異なる

 

ロスカットについての詳しい説明や、人気海外FX業者「XM Trading」のロスカット水準についてはこちらの記事をご覧ください。

 

資金がなければ取引を続けることはできません。

つまり、自分の資金を守る上でより重要になるのが「損切り貧乏」の回避と言えるでしょう。

FXでは大きく勝つことよりも、負けないことに大きな意味があります。

初心者の方は利益を伸ばしても、同額やそれ以上の損切りをしてしまうことも多々あるのです。

 

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ではなぜ、利益を伸ばせなかったり「損切り貧乏」になってしまうのでしょうか。

利益を伸ばせない原因

結論から言うと、利益を伸ばせない原因は「プロスペクト理論」が働くからです。

プロスペクト理論とは、1979年にアメリカのカーネマン氏が提唱した、行動経済学の理論の1つです。

人の判断や行動などの意思決定は、利益や損失を目の前にすると、事実と異なる判断を下すという理論です。

プロスペクト理論は投資以外にも、マーケティングなどでも使われ、2002年にカーネマン氏がノーベル経済学賞を受賞したほど、知名度が高い理論です。

 

このプロスペクト理論では、人間は以下のような行動を取りやすいとされています。

人間は「利益」よりも「損失」を重要視し、損失を回避する傾向がある(リスク回避)
→「利益」を目の前にすると、利益を得られない事態を避けるため、小さい利益でもすぐ確定する。
→「損失」を目の前にすると、損失そのものを避ける

既に損失を出している場合は、リスクを取って損失を回避しようとする
金額が大きくなるほど、相対的に価値を小さく見積もる

 

利益を伸ばせない原因は、このプロスペクト理論が働き現時点での利益を確定しようとする心理状態になってしまうことにあります。

そのため投資では、「もう少し待てば、もっと利益を得られていたのに」と後悔する人が多いという訳です。

 

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人間の感情は、投資と相性が悪い構造になっていると言えますね。

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我々人間は、利益を前にすると「待て」ができないということになります。
確かに、利益が出ている状態なら早く利益を取りたい、と思ってしまいますね。

プロスペクト理論については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

損切り貧乏になる原因

傷が広がらないうちにポジションを手仕舞ってしまう「損切り貧乏」になる原因としては、主に以下の3つが挙げられます。

・損切りが早すぎる

・損切りラインを下げていく

・エントリーポイントが悪い

損切りが早すぎる

まず、損切り貧乏になる原因は、損切りがそもそも早すぎることです。

想定していたルール通りにトレードできず、損失が出た時点ですぐに損切りする行動は、FXの失敗例としてよく挙げられます。

これは、損失そのものを回避しようとする人間の心理傾向を反映しています。

 

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「もう少し待っていれば利益が出ていたのに」というケースですね。

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こちらも、先ほどのプロスペクト理論に基づいて説明することができますね。

慣れないうちは損切りを早めにするのも、大損を避けることができるので有効な方法ともいえるでしょう。

しかし、いつまでも損切りが早すぎるままだと、以下のことを引き起こしてしまいます。

・損失が積み重なる

・設定したルール通りにトレードできない

 

ルール通りにトレードできないということは、事前にシミュレーションして想定した勝率通りの結果を得ることができない、ということになります。

つまり、必然的に勝率も低くなってしまうのです。

損切りラインを下げていく

損切りラインを下げてしまうと、損切りポイントを見失って大損してしまいます。

損切りポイントを下げて、強制ロスカットされる例


・下落しても「まだ大丈夫」と損切りしない

・更に下落をしても「もうすぐ上がるだろう」と放置する

・損切りするポイントを見失い、強制ロスカット

 

いわゆる、株式投資の「塩漬け株」のような状態になってしまいます。

FXでは塩漬け状態にならず、強制ロスカットの機能などでポジションが決済されますが、ロスカットまで行くと通常よりも大きな損失を抱えてしまいます。

 

ここでも前述したプロスペクト理論が作用し、損失が増大するにつれて、金額そのものの価値が下がり、損失に慣れてしまうという心理状態になります。

損失に慣れる例


A:エントリーした直後に-50万円になった

B:既に-50万円の損失がある状態で、-100万円になった

人はAを重要視し、Bは「そもそもマイナスだから」と心理的負担を下げてしまう

エントリーポイントが悪い

損切りが多くなる原因として、エントリーポイントが悪い場合も挙げられます。

上がると思って買っているのに、価格が下がっていくケースが多いということは、そもそもの予想が外れており、エントリーポイントも間違っている可能性が高いです。

 

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期待値でプラスにならない戦略を繰り返しているだけですので、最終的にはマイナスの結果に落ち着いてしまうのです。

FXでの利確・損切りルールの設定方法

損切りと利確のルールは勝てない原因を踏まえて設定する必要があります。

ですが、どのようにルールを設定していいか、分からない人も多いのではないでしょうか?

ここからは、ルールを設定する上で押さえておきたい2つのポイントを解説していきます。

 

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具体的なルールを説明する前に、まずルールを設定する上でのポイントをご紹介します。

①再現性があるか

ルールを設定する上で1番重要なのが、「再現性の有無」です。

つまり、ギャンブルになっていないかを確認して、ルールを設定するということです。

エントリーをした理由が「なんとなく」では、例え勝ったとしても勝ち続けることは難しいでしょう。

具体的には以下のことを決めておくと、検証やバックテストもしやすくなります。

・どうしてエントリーをしたのか

・どこで利益を確定するのか

 

「バックテストがしやすい」とは「設定したルールの勝率など厳密な期待値を計測できる」と言い換えることができます。

バックテストで有効な結果が得られた場合、ルール通りに取引するとバックテスト通りの勝率が出る可能性が高くなります。

取引ルールは、具体的かつ再現性のあるものを設定するようにしましょう。

②仮説を立てデモ取引を行う

またルールを設定する上では、必ず仮説を立て検証を行う必要があります。

ここで絶対にやってはいけないのが、検証していないのに実際のトレードで試すことです。

仮説があるだけでは、本当にそのルールが取引通貨において有効であるのかわかりません。

FX業者で用意されているデモ口座を利用し、設定したルールで本当に利益を出せるのかを検証してみましょう。

 

ワンポイントアドバイス

ルールを設定する上では、自分の性格も加味しなければなりません。
実は戦略やルールは、トレーダーごとに異なります。
つまり、必勝法は人それぞれ異なるということです。

トレーダーによって得意不得意、性格の違いがあるので、選ぶ通貨や戦略が変わってくるのです。

  • せっかちな性格 → より動きやすく短時間で結果が出る時間軸を選ぶ
  • 神経質な性格 → 確実にコツコツ積み上げられる方法や、値動きが比較的安定している通貨を選ぶ

性格に合わせてルールを設定すると、ルールも守りやすくなります。
ルールの設定前に、まずは自己分析をしてみてはいかがでしょうか。

具体的な利確・損切りルール例

ここからは、具体的な利確・損切りのルールを紹介していきます。

ただし、紹介する2つの方法が全ての人に合う訳ではありません。

自分に合ったものや取り入れられそうな部分を参考にしつつ、オリジナルルールを仕上げてみてください。

① 移動平均線とローソクの関係を使った方法
② ダウ理論・レジスタンス・サポートラインを使った方法

①移動平均線とローソクの関係を使った方法

移動平均線とローソクの位置関係を活用した損切りと利確のルールは、視覚的にもわかりやすく、シンプルな方法なので、他の取引や戦略にも取り入れやすいというメリットがあります。

移動平均線とは


一定期間の終値の平均を線で結んだもの

FXでは短期・中期移動平均線の2本、またはそれに長期移動平均線を加えた3本を表示させるのが一般的

 

 

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一般的な設定期間としては、以下の通りになります。

移動平均線の一般的な設定期間
  • デイトレード(短期取引):短期は5~10、中期は50~70
  • スイングトレード(中期的な取引):短期は5~20、中期は50~100

     

    移動平均線の特徴や、活用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

     

    短期移動平均線を活用し、ローソク足と移動平均線の位置関係が変わったタイミングで利確または損切りを行います。

    例えば、上昇中に購入した時、ローソク足が短期移動平均線を下回ったタイミング(下矢印)で手仕舞うようにします。

    profit-loss

    左側の紫色のラインで購入した場合は利確として右側の紫色のラインで購入した場合は損切りとして、このポイントを目安にします。

    このルールのデメリット

    このルールには以下2点のデメリットがあります。

    • 対処が遅れてしまう場合もある
    • ローソクの確定タイミングで都度確認する必要がある
    対処が遅れてしまう場合もある

    ローソクが形成される時間は設定した時間に応じて調整ができます。

    しかし、1本のローソクが形成される過程で大幅に価格が動いてしまった場合、損切りが遅れてしまう場合も考えられるのです。

    例えば、15分足で観察しているときに、わずか1分間で大きく変動した時などです。

    ローソクの確定タイミングで都度確認する必要がある

    対処が遅れないようにするには、ローソクの確定タイミングで都度確認する必要があります。

    確定タイミングでの確認とは、15分足のローソクなら15分おき、1時間足のローソクなら1時間おきの確認を指します。

     

    また、1分足など時間軸が短すぎるとブレ(ノイズ)が起こりやすく、移動平均線などのテクニカル分析は通用しづらくなります。

    つまり、短くても数十分単位でチャートを確認する手間がかかるのです。

     

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    忙しい人だと、ローソクの確定タイミングを確認できずに、対処が後手に回るリスクもあるのですね。

    デメリットの解消法

    これらのデメリットを解消するには、リアルタイムで反映されるRSIやボリンジャーバンドなどのインジケーターなどを使うのが良いでしょう。

    RSIを組み合わせる

    RSIは、ある一定期間の間で価格が売られすぎか買われすぎかを0~100の数値で表す指標です。

    具体的なデメリット解消方法は以下の通りです。

    • RSI 70以上で買われすぎを表す →もうすぐ下落しそうなので手仕舞う
    • RSI 30以下で売られすぎを表す → もうすぐ上昇しそうなので手仕舞う

     

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    リアルタイムでローソクの値から算出されるため、現在の相場の過熱感を知るのに役立ちます。

     

    RSIの見方や具体的な使い方はこちらの記事で詳しく紹介しています。

    ボリンジャーバンドを組み合わせる

    ボリンジャーバンドは、バンドの幅の変化やセンターライン(移動平均線)の傾き、それにローソク足とバンドの位置関係などから相場の過熱度を測るテクニカル指標です。

    ローソクを中心として上側に+1σ~+3σ、下に-1σ~-3σと呼ばれるボリンジャーバンドラインに囲まれ、それぞれ統計学に基づいて以下の確率が算出されています。

    ボリンジャーバンドの標準偏差バンド内でレートが収まる確率
    ±1σ68.2%
    ±2σ95.4%
    ±3σ99.7%

     

    具体的なデメリット解消法は、±2σや±3σにローソクが触れた場合に、もうすぐ値動きが反転しそうであるので手仕舞うという方法です。

    左側の下矢印がボリンジャーバンド、右側の下矢印はローソクと移動平均線の関係で手仕舞うタイミングを指しています。

    fx 利確 損切り

     

    買っていた場合、ボリンジャーバンドで手仕舞った価格(上の水平線)と、ローソクと移動平均線の関係で手仕舞った価格(下の水平線)では、大きく利益が異なります。

     

    過去の統計に基づくボリンジャーバンドを使えば、移動平均線とローソクが交わりそうなタイミングよりも早めに手仕舞うことができる、という訳です。

    ローソクが移動平均線まで下げる期間で、大幅に下落するリスクを回避し、利益を最大化させる意図で使う方法といえるでしょう。

     

    ボリンジャーバンドの見方や手法、設定方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

    ②ダウ理論・レジスタンス・サポートラインを使った方法

    こちらはダウ理論レジスタンスライン・サポートライン(略してレジサポライン)を使った方法です。

    ダウ理論とは


    アメリカの証券アナリストが提唱した相場理論で、多くのトレーダーが参考にしている理論

    ダウ理論の基本原則

    ・平均はすべての事象を織り込む

    ・トレンドには3種類ある

    ・主要トレンドは3段階からなる

    ・平均は相互に確認される必要がある

    ・トレンドは出来高でも確認されなければならない

    ・トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

     

    スーツ男性話す

    多くの相場参加者がダウ理論を参考にしているということは、ダウ理論の通りに価格が動きやすいということを示しています。

     

    今回は、相場の方向性(トレンド)について、トレンドは3段階で形成され、明確なシグナルが発生するまで継続するという点を押さえておきましょう。

    主要なトレンド(上昇相場や下落相場)は以下の3段階で形成されていきます。

    1. 先行期:プロトレーダーが底値で買う
    2. 追随期:投資家が徐々に買う
    3. 利食い期:素人が買う、プロトレーダーは利確(利食い)する

     

    fx 利確 損切り

     

    また、トレンドは高値と安値の切り上がり、切り下がりの関係で判断することができます。

    つまりダウ理論では、 高値と安値が切り上がっていく状況を上昇トレンド(上昇相場)、逆に高値と安値が切り下がっていく状況を下降トレンド(下落相場)と定義されます。

    fx 利確 損切り

     

    眼鏡お父さん男性 アイコン疑問

    どうやって切り上がっているか、などを確認していくのでしょうか?

    スーツの若い男性 ポイント

    そこで活躍するのが、「レジスタンスライン」「サポートライン」となります。

    レジスタンスライン・サポートラインとは


    レジスタンスラインは抵抗線とも呼ばれ、上昇してきた価格が下落に転じやすい水準を指す

    サポートラインは支持線とも呼ばれ、下落してきた価格が上昇に転じやすい水準を指す

     

    今回紹介するのは、レジスタンスラインやサポートラインを引き、トレンドの継続を確認しながら取引していく方法となります。

    相場の方向性を捉えながら取引できるため、大きく利益を伸ばせる可能性もあります。

    具体的なルールは、以下のように設定します。

     

    • 上昇トレンドの場合、高値や安値が切り上がらなくなったら損切り、または利確

    fx 利確 損切り

     

    • 下降トレンドの場合、高値や安値が切り下がらなくなったら損切り、または利確

    fx 利確 損切り

     

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    つまり、上昇や下落の勢いが徐々になくなった時点で撤退するというイメージです。

    このルールのデメリット

    このルールのデメリットは、綺麗な波でない場合もあるということです。

    このチャートでは、上昇中に、枠内では下降トレンドになったかと思いきや、すぐに上昇トレンドへ転換してしまいました。

    fx 利確 損切り

     

    このように、想定した動きをするずに判断しにくい場合もあるのです。

    慣れてくれば、大まかに判断することは可能ですが、最初は切り上がっているか、切り下がっているか、分からないこともあるでしょう。

    デメリットの解消法

    このデメリット解消法としては、移動平均線でトレンドを確認する方法があります。

    移動平均線の傾きの有無でトレンド相場か否か判断することができ、右上に動いているなら上昇トレンド、右下なら下降トレンドと読み取ることができます。

    移動平均線でトレンドの発生を確認できるため、分かりやすさの面からダウ理論と相性が良いのです。

    デメリット解消法の具体的手順は以下3つのステップを踏みます。

    ①移動平均線で現在のトレンドを確認

    fx 利確 損切り

     

    ダウ理論を用いて、どこまで続きそうか(今は先行期、追随期、利食い期なのか)を大まかに捉える

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    ③レジサポラインを引き、損切りと利確タイミングを確認する

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    矢印が示す場所は前の安値を下回らなかったので、トレンド終了と判断し、手仕舞いましょう。

    レジスタンスラインやサポートラインは何度か引いて、しっくりくる場所を探していきましょう。

    慣れてくれば、線を引かなくとも分かるようになります。

     

    ちなみにこのデメリット解消法を活用するためには、以下の3つのスキルが必要となります。

    ・移動平均線の理解
    ・ダウ理論の理解
    ・レジサポラインが引ける

    おすすめできない利確・損切りのやり方

    ここでは、おすすめできない利確と損切りのやり方を紹介します。

    ただ、紹介するやり方は、一概に悪いものではありません。

    そのまま真似すると損失を増大させる原因となるので、「自分に合うのか」「どのようなリスクがあるのか」を理解した上で使う必要があります。

    ナンピン

    ナンピン(難平)とは、保有しているポジションに対しレートが逆の方向に進んだ際に、さらにポジションを追加し平均取得単価(平均コスト)を下げる手法のことを言います。

     

    例えば、ドル円を100円で買いレートが95円まで下がったとします。

    この場合には5円の含み損が発生しますが、95円でポジションを追加することにより平均取得単価は97.5円まで下げることができるのです。 

    平均取得単価 = 買付コスト ÷ 合計ロット数
    97.5円 =(100円 + 95円)÷ 2ロット

     

    したがって、ナンピンを行ったことにより、97.5円より上までドル円のレートが上昇すれば利益を得ることができます。

     

    ナンピンを有効に活用できれば、本来の損失をプラスに転じさせることも可能です。

    しかし、相場が想定内に動かなかった場合は損失を増大させてしまうリスクもあります。

     

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    根拠のある計画的なナンピンであれば問題ないのですが、慣れないうちはナンピンを取り入れないようにしましょう。

    値幅で考える

    値幅で考えて利確や損切りを決定するのもおすすめできません。

    理由は、その状況により適切な利確、損切りポイントが変わるからです。

     

    例えば、1pipsで利益を確定すると決めていても、以下の場合で適切な値幅が異なります。

    • 動きにくい相場 → 1pipsが難しい場合もあり、0.5pipsが適切な場合も
    • 上昇相場→ 買えば1pips以上に利益を取れる可能性も

     

    値幅は、相場の状況に合わせながら柔軟に決定することが大切です。

    仮に10pipsで買いポジションを利確すると決めても、9pipsまで上昇後に下落する相場では、いつまでたっても利益を確定できません。

    自分が想定した値幅に、相場が合わせてくれることはありません。

    相場状況によって優位性がある方にエントリーをして利益を得ていくのが投資の本質です。

    状況に応じたルールを複数決めておき、相場の需要と供給を読み取りながら適切に対処していくことが必要です。

    なんとなく・根拠なしの取引

    なんとなく・根拠なしの取引は最も避けてほしい取引方法です。

    根拠のない取引は、再現性がなく振り返りや改善ができないため、ギャンブルと同じでいずれ負けてしまうことは目に見えています。

    なぜエントリーするのか、どれぐらい想定した利益が取れるのか、について自信を持って答えられる状態でエントリーするのが大切です。

    絶対に避けていただきたいやり方ですので、必ず念頭に置いておきましょう。

    初心者によくある利確・損切り失敗例【体験談

    最後に初心者によくある損切りや利確の失敗例を、筆者の体験も踏まえて紹介しておきます。

    取引をしたことある人なら「あるある」と共感していただけるミスも多いのではないでしょうか。

    メンタルのブレで損切りタイミングをミス

    初心者が陥りやすいメンタルのブレは、以下のような流れで発生します。

    1. 利益が出ていた
    2. 思いがけない急騰や急落で一気に損失を被った
    3. 損することが怖く、考えることを放棄しすぐに損切りをした
    4. その後、元の水準に戻った

     

    最初に設定していた損切りの水準には至っていないのに、メンタルのブレで損切りをし、結局は利益が出る水準まで戻ったというのは、よくある話です。

    この失敗の原因は、ルールを設定しても、損失回避傾向が強く現れルールを守れなかったことにあるでしょう。

    ルール設定が自分に合わず失敗

    損切りや利確のルール設定でよく紹介されるのは、「数値で決める方法」や「〇%で利確、損切りする方法」ではないでしょうか?

    しかし、数値をそのまま自分のルールとして適用するのは危険です。

    実際に、筆者もネットで見た数値をそのまま使用したものの、自分のリスク許容度に合わず、損失がかさんでしまった経験があります。

     

    サイトで数値を紹介している人と、自分の勝率は同じではありません

    なので参考程度にとどめておけばいいのですが、自分の性格やリスク許容度などを無視した数値を設定してしまうのは危険です。

    失敗例


    勝率が高い人:リスクは大きくとっても問題ない

    勝率が低い人:リスクを取りすぎると、負け続けて資金を失う

     

    まずは、自分がどれぐらいの勝率を出せるのか、基準を知った上で設定しましょう。

    そして自分がすぐに損失を避けてしまうタイプなのであれば、早めに損切りできる数値を設定することをおすすめします。

    一般的な利確・損切の数値

    利確:全資金の10~20%

    損切り:全資金の5~10%

    指値・逆指値注文の出し忘れ

    初心者のよくある失敗例として、指値注文と逆指値注文の出し忘れが挙げられます。

    指値・逆指値とは


    指値:「〇円まで下がったら買う、または〇円まで上がったら売る」という注文で、主にエントリーや利確に使う

    逆指値:「〇円まで上がったら買う、または〇円まで下がったら売る」という注文で、主に損切りに使う

     

    もし相場が想定外の方向に大きく動いた場合、ポジションは強制的にロスカットされてしまいます。

    しかし、逆指値注文を出しておけば、ロスカット前に自分で設定した水準で損切りができるのです。

     

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    忙しくてチャートを見るタイミングがない人にはぴったりの方法ですね。

    トレーリングストップを有効活用

    もっと利大損小を狙いたい方は「トレーリングストップ」という注文方法も覚えておくと良いでしょう。

    トレーリングストップとは、価格変動に応じてストップロスを自動で変更していく注文を指します。

    trailing stop

    1. ポジションと同時にストップロスを設定
    2. 価格の上昇と共にストップロスも上昇
    3. 価格が下落してもストップロスは変わらずに維持
    4. さらに価格が上昇するとストップロスも合わせて上昇
    5. 推移したストップロスと同じ価格まで下がったら決済

     

    上記画像のように、価格が上昇するのに合わせてストップレートも上昇していきます。

    もし下落した場合でも、すぐに利確することができます。

    トレーリングストップの特徴

    ・自分が想定した方向に価格が動くと、ロスカットラインも同じように動く

    ・一度動いたロスカットラインは元に戻ることはない

    ・もしも急な価格変動が起こっても、利益を残したまま手仕舞える

     

    これならば、想定通りに上昇したのに、急な下落で利益がなくなってしまうというケースを防ぐことができます。

    ただし、トレーリングストップを上手く機能させるには、価格の変動をしっかり想定しておかなければなりません。

     

    ちなみに、トレーリングストップは分析ツールのMT4、MT5で設定可能です。

    設定方法


    1. 画面下の「ターミナル」ウィンドウから、トレーリングストップを設定したいポジションを右クリック
    2. 「トレイリング・ストップ」を選択
    3. ロスカットラインを選択
    ※10ポイントは1pipsを指す。
    ※「カスタム設定」を選べば、好きな数値を設定可能。

     

    眼鏡お父さん男性 スマイル

    想定した通りに価格が動いた場合、急な下落リスクを抑えたい方向けの、欲張りな注文方法といえますね。

    まとめ

    今回はFXの利確と損切りルールについて、具体的な方法をご紹介しました。

    どれもおすすめの方法ですが、ご自身の性格や資金によって、有効な戦略やルールは異なるため、全てのトレーダーに適しているわけではありません。

    まずは自分で仮説を設定し、デモツールなどを使って、「再現性があるのか」「勝率は高いのか」を確認していくことが大切です。

     

    緑ドレス若い女性 アイコン喜ぶ

    自分に合った方法を検証しながら試していくのが1番重要なのですね。

     


    海外FXラボ

    筆者:海外FXラボ編集部

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