「経済指標ってどんなものがあるの?」
「政府や主要機関の経済指標発表の前後で値動きが変わるからトレードの狙い時?」
などの疑問を解決したい方必見!
この記事では、経済指標とは何か、実際どのように指標を用いてトレードするのかを解説していきます。
注意事項や経済指標を確認するのに役立つアプリなどもご紹介します。
経済指標とは?
経済指標:各国の公的機関等が発表する「経済状況を構成する要因(物価、金利、景気、貿易など)を数値化したもの」です。
例えば、代表的なものに「GDP(国内総生産)」があります。
GDPは「国内で生産された物やサービスの付加価値が合計いくらか」を測る経済指標です。
GDPを見ることで、その年にその国がどのくらいお金を稼いだかや、去年や一昨年と比べて、稼いだ金額が減ったか増えたか、つまり景気の動向を大方把握することができます。
このように経済指標は景気の良し悪しの判断の目安となりますので、為替予測において重要な要因です。
XM経済指標カレンダーの使い方・特徴
XMの公式ホームページで様々な経済指標をチェックすることができます。
具体的な使い方や特徴を見ていきましょう。
XM経済指標カレンダーの使い方
STEP1. XMの経済指標カレンダーにアクセス
まずは、下のボタンをクリックして、XM公式サイトへ行きましょう。
公式サイトに入ったら、ホーム画面上の「FXを学ぶ」をクリックします。
次に「経済指標カレンダー」を選択します。
経済指標カレンダーのページに入ると、以下のような画像が表示されます。
STEP2. 表示時刻を選択する
何も設定していない状態の時は、表示言語の国の時刻が自動で表示されています。
例えば、設定が日本語の場合は日本時間(GMT+9)が表示されます。
言語はそのままで、時刻だけ別の国のものに変更したい場合は、「現在の時刻」をクリックするとタイムゾーンの変更ができます。
STEP3. 表示する日付を選択する
いつの情報を表示するかを、「昨日」「本日」「明日」「今週」から選べます。
もしくは「カレンダーアイコン」をクリックして、カレンダーで表示したい日付を複数選択したり、昨日より前の情報を表示することもできます。
STEP4. フィルターで情報を選択する
フィルターで表示する指標の「国」「カテゴリー」「重要度」を選択することができます。
①国を選択する:チェックを入れた国の指標だけが表示されます。
興味のある商品や世界情勢に影響するであろう国の情報をチェックしていきましょう。
②カテゴリーを選択する:チェックを入れたカテゴリーが表示されるようになります。
③重要度を選択する:チェックを入れた重要度の指標だけが表示されるようになります。
牛マークが少ないほど、重要度が低いです。
最後に「適用」をクリックすると、選択したフィルターの内容が指標カレンダーに反映されます。
STEP5. 詳細な情報を表示する
銘柄をクリックすると、「情報源」「概要」「チャート」「履歴」などを確認することができます。
XM経済指標の特徴
XMの経済指標には2つの特徴があります。
①97カ国の経済指標に対応している
経済指標カレンダーで、97カ国の経済指標をチェックすることができます。
必要ない国の情報はフィルターで遮断できるので、自分がトレードしている銘柄と関連する情報のみ見ることができます。
➁必要な情報が一目でわかる
XMの経済指標カレンダーは、必要な情報が横1列に並べられています。
指数についての情報は、「発表時間」「経済指標に関連する通貨」「重要性」「指標名称」を確認することができます。
また指数の数値については、「実際値」「予想値」「前回の数値」が表示されています。
注目すべき経済指標5つ
毎日数多くの経済指標が発表されていますが、その全てを確認するのは大変な作業ですよね。
そこで、数ある指標の中でも注目すべき指標5つをご紹介します。
1.雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)【アメリカ】
非農業部門雇用者数:その名の通り、農業部門ではない部門で働いている雇用者数を集計したものになります。
失業率:失業者数を労働力人口(失業者と就業者の合計数)で割ったものになります。
アメリカのGDP(国内総生産)のうち、約7割を個人消費が占めています。
個人消費の量は個人が仕事を持っているかどうかが大きく影響します。
なぜなら、労働によって賃金を得ないと個人は消費をすることができないからです。
雇用状況というのは個人の所得やその人の消費量にも直結するので、将来の景気の動向を占う上で非常に役に立つ指標なのです。
雇用統計と通貨の関係
まずは雇用統計と景気の関係を見ていきましょう。
仕事がある人は仕事がない人よりも使えるお金が多いですよね。
そのため、雇用されている人数が多ければ多いほど、使われるお金も多く、景気も良いといえます。
失業率は低ければ低いほど、景気が良いです。
・非農業部門雇用者数: ・失業率:
多い=景気が良い 低い=景気が良い
少ない=景気が悪い 高い=景気が悪い
では、景気の良し悪しと通貨の動きにはどんな関係があるのでしょうか。
「予想より好景気」(予想値より雇用者数が多かった・失業率が低かった場合)
⇒ドルが買われてドル高方向に価格が変動することが多い。
「予想より不景気」(予想値より雇用者数が少かった・失業率が高かった場合)
⇒ドルが売られてドル安方向に価格が変動することが多い。
▼失業率が発表された際の指標トレード
2.FOMC政策金利発表(アメリカ)
FOMC政策金利発表:米国の中央銀行のFRBが設定する短期的な金利のことです。
景気が良ければ金利を上げて、悪ければ金利を下げるので、米国の景気が大変掴みやすい経済指標となっているのです。
FOMC政策金利発表と通貨の関係
国の地政学リスクなどを度外視すれば、「利率の高い国の通貨を持ちたい」と思うのは当然ですよね。
「予想値より高金利」⇒買われやすい
「予想値より低金利」⇒買われにくい
しかし実際のドル円為替では、過去のアメリカの利上げ局面を見てみると、ドルが下落していることの方が多いのです。
これは、アメリカの利上げは、事前に利上げを予測されていて、利上げする前にすでにドル高になっていることが多いためだと考えられます。
実際に利上げが発表されると材料出尽くしとなり、利確のためドルが売られ、ドル安になるという流れです。
3.小売売上高(アメリカ)
小売:百貨店やスーパー等の小売・サービス業などのことです。
小売売上高:小売業者がどの程度売り上げをあげたかというもので、つまりは裏を返すと、どの程度国民が消費をしたかを表す指標です。
雇用統計のところでもお話しましたが、アメリカのGDPのうち、約7割を個人消費が占めています。
国民の個人消費量は景気の良し悪しに大きく関係するため、小売売上高は注目されているのです。
小売売上高と通貨の関係
小売売上高が大きければ、それだけ個人消費量が大きいということになります。
GDPの約7割を占める個人消費量が大きいと、景気が上向きだと判断され、ドル買いの傾向が強まります。
「予想値より小売売上高が大きい」⇒景気が予想より上向きと判断される⇒ドルが買われてドル高になる
「予想値より小売売上高が小さい」⇒景気が予想より下向きと判断される⇒ドルが売られてドル安になる
4.消費者信頼感指数(アメリカ)
消費者信頼感指数:消費者マインド(消費者の収入・経済状況・購買意欲に対する感覚)を表す指標のことです。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが5000人の消費者に対して行うアンケートをもとに、消費者マインドを計測したものです。
消費者信頼感指数が大きいときは、消費者マインドが良く、購買意欲が高い状態を表しています。
購買意欲が高い場合、モノが沢山買われるので、景気が上向きます。
つまり、消費者信頼感指数が大きいと、景気が上向いていると判断できます。
消費者信頼感指数と通貨の関係
数値が上がるということは、消費者の購買意欲が高く、景気が上向いていると判断できるので、ドルが買われる傾向が強まります。逆もまた然りです。
「予想値より消費者信頼感指数が高い」⇒景気が予想より上向き⇒ドルが買われてドル高になる
「予想値より消費者信頼感指数が低い」⇒景気が予想より下向き⇒ドルが売られてドル安になる
5.国内総生産(GDP)(日本、アメリカ)
国内総生産(GDP):その国の経済活動でどの程度の付加価値が生まれたかというもので、マクロ的に経済を語る上では欠かせない指数です。
前期と比べて、GDPが大きくなったか小さくなったかで、その国の経済成長の度合いを測ることができます。
GDPは四半期ごとなどに世界各地で発表されています。
・アメリカやイギリス、ユーロ圏などは、まず「速報値」を発表し、暫く期間を空けてから「改定値」、さらに間隔を空けて「確報値」の発表という3つのタイミングがあります。
・フランスやドイツは、四半期ごとにまず「速報値」を発表し、期間を空けてから「確報値」を発表するという2つのタイミングを設けています。
日本も1次速報、2次速報の2回発表です。
国内総生産と通貨の関係
アメリカのGDPは発表のタイミングが3度ありますが、その中でも「速報値」の発表のタイミングで相場の動きが大きくなりやすいです。
市場が「改定値」や「確定値」に対して大きく反応することもあります。
「予想値より国内総生産が大きい」⇒景気が予想より上向き⇒ドルが買われて、ドル高になる
「予想値より国内総生産が小さい」⇒景気が予想より下向き⇒ドルが売られて、ドル安になる
また、GDPの「速報値」と次に発表される「改定値」や「確報値」の間に大きな乖離があれば、それにより相場が大きく動く可能性があります。
指標トレードのやり方
ここからは実際に指数を使ったトレードのやり方をご紹介します。
①トレードしたい通貨に関連する指標を選定する
上記の5つの重要指標以外にも、トレードする通貨関連の指標を確認した方が良いです。
特に牛3つの重要性が高い指標を把握するべきです。
例えば、ユーロを取引する場合は、欧州中央銀行政策金利やユーロ圏のGDPなども確認しましょう。
フィルターで関連通貨と重要性の高い指標のみを表示することができるので、フィルターを活用しましょう。
➁発表の時間を忘れないようにする
発表直後はスプレッドが広がりやすいこともあり、早くエントリー出来たら損益も有利となりやすいです。とにかく経済指標の結果をどれだけ早く知れるかが重要になってきます。
XM経済指標カレンダーで調べた指数発表時間を忘れないようにしましょう。
携帯のカレンダーやアラーム機能などで発表前に通知が来るように設定しておくことをおすすめします。
③予想値を確認する
前回の数値も重要ですが、一番市場に反映されやすいのは、実際値と予想値と大きな差が出る時です。
予想値を必ずチェックしましょう。
④新規注文と同時に、損切注文もセットで発注する
指標トレードに失敗してしまう主な原因は、損切注文を入れていないことです。
指標トレードは一気に変化することがよくあるので、必ず損切を設定して、自分の許容範囲で発注しましょう。
例(2021年2月のアメリカの失業率)
2021年2月のアメリカの失業率を例にして、指標トレードの流れを掴みましょう。
▼2月の雇用統計結果では、失業率が先月と予想値より少し低いですが、大きな誤差はありません。
▼3月5日に発表されたアメリカ2月の非農業部門雇用者数は予想値より大幅に上回っています。
非農業部門雇用者数は予想値より大幅に上回っているので、景気が回復すると予想されます。
▼非農業部門雇用者数発表直後のドル円チャート
その結果がきちんとドル円チャートに反映されました。
発表した後にドルが上がったのです。
5分くらい経つと、上昇の勢いは止まってしまいました。
その30分後、ドル円相場が元の水準に戻りました。
指標トレードは早めに利確しないと、利益が出せませんね。
指標トレードの注意点
指標トレードには注意点が全部で7つあります。
これらをしっかり意識して、指標トレードを行いましょう。
1.ハイレバレッジの指標トレードは禁止事項
XMは指標トレードは禁止していませんが、ハイレバレッジを利用した経済指標トレードは禁止しています。
値動きが激しい指標発表の時期にハイレバトレードをすると、予想通りに事が進んだ場合、利益は大きなものになります。
しかし、逆の場合は所持金よりも大きな損失が発生する可能性があります。
XMには、トレーダーの口座残高がマイナスになった場合、そのマイナス分をXMが補填してくれる「ゼロカットシステム」があります。
つまり、指標トレードで作ってしまった口座のマイナス分はXMの負担になり、その損失が大きいほどXMは損をしてします。
ゼロカットシステムが悪用されるのを防ぐために、このような規制を設けているのです。
2.スプレッドが広くなる
経済指標の発表前後は、スプレッドもかなり拡大する傾向があります。
5~10倍になることもありますので、スプレッドでコストがかかると利益分を削られてしまいます。
スプレッドのコストと見込める利益の大きさをしっかり比較してから、トレードするか決めましょう。
3.強制ロスカットが発動されやすい
大きな変動が発生する時、大量のポジションを持つと、証拠金に大幅の増減が起こります。
20%の証拠金維持率を下回るとロスカットされるので、ポジション数に注意してください。
ロスカットについてあまりよく分からない方は、こちらの記事をクリックしてください。
XM(XMtrading)には「ロスカット」という自動損切りシステムがあります。 このロスカットが発動する目安を、XMでは証拠金維持率の20%に設定しています。 今回の記事ではロスカットの発動条件や、証拠金維持率の計算方 …
4.発表直前の変動に注意する
変動は「発表されたタイミング」だけでなく、「発表される直前」から始まります。
発表される1分くらい前から、十分に価格に注意しておきましょう。
5.予想値が必ずしも正しいとは限らない
当然ながら、「予想値」はあくまで予想ですので、必ずしも当たるとは限りません。
指標トレードを行う際は、「予想値」を見て、為替の変動を予想するのではなく、「実際値」が「予想値」よりもどれくらい上がったり、下がったりしたかで為替の変動を予想します。
6.指標トレードのポジションは早めに利益確定する
経済指標の発表後には値が安定せずに上下に動くという傾向があります。
経済指標発表後の値動きを正確に予想できたとしても、値が反転してマイナスになってしまう、なんてことはよくあります。
指標発表から10分後に決済するトレーダーが多いようです。
7.同時に複数の指標が発表されるときは取引しない
複数の指標があると、値動きが読みにくくなるので、おすすめしません。
1つの指標を予測する時は、「指数がポジティブかネガティブか」と「相場の強弱」だけを予想します。
しかし、指標が2つ以上の場合は、「指標自身の強さ」、「予想値とどれくらい乖離しているか」なども考えなければいけません。
さらに反対の結果の場合は「2つに指標がどちらに行くか」と、「反対側がどれくらい相殺するのか」なども判断する必要があります。
結論として、単独で発表があるときにトレードをするのが無難な選択です。
MT4/MT5にも経済指標カレンダーがある
いちいちXMのホームページにアクセスしなくても、MT4/MT5で経済指標カレンダーを表示して確認することができます。
チャート上に指標の発表時間を表示することも可能なので、トレードしながら発表時間を把握できて便利です。
早速操作手順を見ていきましょう。
STEP1. 指標カレンダーをクリック
MT4/MT5の画面下に指標カレンダーのタブがあります。
そのタブをクリックすると、チャートの下にカレンダーが表示されます。
STEP2.表示したい経済指標の期間を選択する
カレンダーの上にカーソルを置いたまま右クリックすると、カレンダーの詳細設定メニューが表示されます。
「先週」「今週」「来週」「先月」「今月」「来月」の中から、一つ選ぶことができます。
STEP3.表示する指標の「優先順位」「通貨」「国」を選ぶ
初期設定では、全て選択された状態になっています。
必要ない項目があれば、その項目をクリックすると表示されなくなります。
▼優先順位
▼通貨
▼国
STEP4.チャート上に指標の発表時間を表示する
「チャートに表示」を選択し、「すべてのイベント」をクリックすると、チャート上に指標の発表時間が表示されます。
「すべて削除」をクリックすると、チャート上に発表時間が表示されなくなります。
▼このようにチャートの下の方に発表時間が表示されます。
スマホアプリ「Tradays」でも経済指標の表示ができる
スマホアプリTradaysで経済指標をチェックすることもできます。
設定した時間になると、お知らせしてくれるアラート機能も付いているので、発表時間を忘れることを防ぐことができます。
またMT5をお使いの方は、Tradaysからそのままトレードすることもできます。
※MT4はTradaysからトレードできません。
Tradaysの使い方
STEP1.Tradaysをインストールする
まずMT4/MT5を開き、メニューから「Ads: 経済指標カレンダー」と書かれた項目を選択してください。
▼メニューボタンをタップ
▼経済指標カレンダーを選択
すると、Tradaysのインストール画面に移動しますので、そのままインストールしてください。
ダウンロードできない方は以下のリンクからもダウンロードできます。
STEP2.フィルターを設定する
Tradaysを開いて、画面下にあるカレンダー型の「イベントアイコン」を選択します。
画面上の「漏斗アイコン」をタップしてください。
フィルター画面に移動したら、表示したい「重要性」と「国」を選択しましょう。
STEP3.アラートを設定する
フィルター設定画面からカレンダーの画面に戻ります。
アラートを設定したい指標をタップします。と、その指標の詳細が書かれた画面に移動します。
詳細画面上の「ベルアイコン」をタップしてください。
リマインダー設定のメニューが表示されたら、アラームを設定したい時間を「指標が発表される時刻」「5分前」「15分前」「30分前」「45分前」「60分前」から選択し、「有効にする」をタップ。
画面下の「ベルアイコン」をタップすると、設定したアラートを確認することができます。
表示された指標をタップすると、その指標の詳細画面に移動します。
その詳細画面に移動したら、先ほどと同じ手順で、アラートの設定時間を変更することができます。
また、画面上の「ゴミ箱アイコン」をタップすると、必要ないアラートを選択して削除できます。
【MT5限定】Tradaysでトレードする方法
画面下の矢印の形をした「取引のアイコン」を選択すると、取引画面に移動します。
取引画面下のアイコンはすべて取引用のアイコンに切り替わります。
指標カレンダーの画面に戻りたい場合は、画面上の「メニューボタン」を押して、「イベント」「アラート」「設定」のどれかをタップしてください。
まとめ
指標トレードは時間が命ですので、事前の準備がとても大切です。
また指標発表の10分後に利確するようにしましょう。
発表後10分を過ぎると、たくさんのトレーダーが利確した後になるので、相場が落ち着いてしまい、大きな利益を得ることが難しくなってしまいます。
XMも経済指標カレンダーを利用したり、もしくはインジケーターやスマホアプリを活用して、チャンスを逃がさないようしましょう!
筆者:海外FXラボ編集部
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